私は彼とあくまでも友達になりたい
***
side 弥生彰人
俺は図書室で梨花を待っていた。
正直なところ、すげぇ楽しみ。
梨花に会えることが嬉しくて仕方ない。
この間あった中間テストの英語、難しかったからもしかしたら、教えてー!って頼まれるかもな。
そう思うと笑みが溢れた。
──そんなときだった。図書室のドアが開いたのは。
「ねぇ、彰人くんいる?」
同じクラスの佐々木がそこにはいた。
めんどくさい…。そうは思いつつも、
「いる。」
と返事する俺。
「よかった。あのね。私と付き合って欲しいの。」
佐々木が言った。佐々木が告白してくるのはこれで2回目のはずだ。
「…前も言った通り、俺はお前に興味ないし、俺には俺の好きな人がいるから、パス。」
俺は佐々木の目を見ずに言った。
しかし、今日の佐々木は様子が変だった。
「…じゃあ、これを見てもそれが言えるの?」
佐々木は、自分のスマホを開き、その画面を俺に見せた。
そこには、俺が、梨花のおでこにキスしている写真があった。間違いなくこの間のデートのときのものだった。
「私ね、彰人くんのガチファンが知り合いにいるの。その人にこの画像出回ったら、梨花ちゃん。きっと大変なことになっちゃうだろうなぁ…。」
佐々木は笑ってそう言っていた。でも、その笑顔が悲しそうだと思えた。
「…一体何が望みなんだよ。」
「簡単なことだよ。私は彰人くんに付き合って欲しい。…ねぇ、だからさ、付き合ってよ。」
俺は悩んだ。
佐々木に関して言えば俺にとってはどうでもいい。
でも…
梨花に危害が及ぶのだけは避けたかった。
「…いいよ。」
俺のこの選択は間違っていないと思っていた。
「ただ、梨花とは別れないから。」
俺は鋭く佐々木を睨みつけ言った。
「…いいよ、それで。ただ、別れてくれるまで写真消さないからね。」
「なっ…。」
俺は言葉を失う。そんな俺を見て佐々木は、
「ありがとう、彰人くん。」
佐々木はお礼を言った。
笑顔だったが、切なさが滲み出ていた。
side 弥生彰人
俺は図書室で梨花を待っていた。
正直なところ、すげぇ楽しみ。
梨花に会えることが嬉しくて仕方ない。
この間あった中間テストの英語、難しかったからもしかしたら、教えてー!って頼まれるかもな。
そう思うと笑みが溢れた。
──そんなときだった。図書室のドアが開いたのは。
「ねぇ、彰人くんいる?」
同じクラスの佐々木がそこにはいた。
めんどくさい…。そうは思いつつも、
「いる。」
と返事する俺。
「よかった。あのね。私と付き合って欲しいの。」
佐々木が言った。佐々木が告白してくるのはこれで2回目のはずだ。
「…前も言った通り、俺はお前に興味ないし、俺には俺の好きな人がいるから、パス。」
俺は佐々木の目を見ずに言った。
しかし、今日の佐々木は様子が変だった。
「…じゃあ、これを見てもそれが言えるの?」
佐々木は、自分のスマホを開き、その画面を俺に見せた。
そこには、俺が、梨花のおでこにキスしている写真があった。間違いなくこの間のデートのときのものだった。
「私ね、彰人くんのガチファンが知り合いにいるの。その人にこの画像出回ったら、梨花ちゃん。きっと大変なことになっちゃうだろうなぁ…。」
佐々木は笑ってそう言っていた。でも、その笑顔が悲しそうだと思えた。
「…一体何が望みなんだよ。」
「簡単なことだよ。私は彰人くんに付き合って欲しい。…ねぇ、だからさ、付き合ってよ。」
俺は悩んだ。
佐々木に関して言えば俺にとってはどうでもいい。
でも…
梨花に危害が及ぶのだけは避けたかった。
「…いいよ。」
俺のこの選択は間違っていないと思っていた。
「ただ、梨花とは別れないから。」
俺は鋭く佐々木を睨みつけ言った。
「…いいよ、それで。ただ、別れてくれるまで写真消さないからね。」
「なっ…。」
俺は言葉を失う。そんな俺を見て佐々木は、
「ありがとう、彰人くん。」
佐々木はお礼を言った。
笑顔だったが、切なさが滲み出ていた。