私は彼とあくまでも友達になりたい
***

放課後、私は校舎裏で、同級生に囲まれていた。

朝は好奇の目で見られたが、今は違う。
敵意が漂う視線が5つ向けられていた。

全員名前も知らない子だ。

「ねぇ、何であんたごときが弥生くんと付き合うわけ?もっと美人なら良いものを何でこんな平凡女を!!」

私は壁に叩きつけられる。鈍い痛みが体を走った。

ごもっとも過ぎて言い返すこともできない。

私でも何でこんなに自分は友達が多いだけの平凡女なんだろうと悔やんでいる。

もっと釣り合う女ならと何度も考えている。

「安心なさい。彰人くんはここに来れないように、他の人が告白で呼び出してるから。」

キャハハと笑う女の子に私は怒り一つ湧かなかった。
いつもなら、どうにもならないとき、すぐに人の助けを求めるのに、今はその気が微塵も起こらなかった。

ただ、痛みに体を集中させるだけだった。

そんなときだった。

「…何してんの?」

私は声のする方向に目を向けた。声の主の存在に驚きを隠せない。

「…ひな、ちゃん?」
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