私は彼とあくまでも友達になりたい
私はどうして、という戸惑いが顔に滲み出ていたと思う。
そんな私を他所に、ひなちゃんは、

「あんたたち、そんなことして恥ずかしいと思わないの?」

と言った。それは私を囲む同級生に言っているのだろう。

「はぁ?あんたこそなんなの?どうしようが、私たちの勝手じゃない。」

同級生の1人が言った。

「…あのね、それを言われたら、私が何をするのかも私の勝手じゃない。
あんたたちは、美人なことでしか、女子を判断できないの?
悪いけど、梨花ちゃんのことをちゃんと知ってる子はみんな彰人くんと付き合ったことについて納得してたわよ?」

ひなちゃんはそう捲し立てる。
冷ややかな目だった。
ひなちゃんは、暖かくてぽかぽかした子だと思っていたから、この間も不良グループに所属していると知って驚きだったけど、今日も、ひなちゃんがあんな顔を見せると知り驚いた。

同級生たちはその視線に怯んだのか、私の元から去っていく。

あの子たちとは仲良くなることはもうできないかもしれないけど…。

とりあえずは、

「ありがとう、ひなちゃん。」

私はするべきだと思う行動をとった。
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