私は彼とあくまでも友達になりたい
「…負けました。」

「勝てて良かったです。」

そんな会話を交わして、私たちは笑い合った。小さい声で。

「…もう少し勝負してみない?」

彰人くんが言う。

「…具体的には?」

彰人くんのことだから、きっと私を照れさせるような勝負を持ち込んでくるんだろうなと思った。

「お互いの好きなところをチャイムが鳴るまでに、書けるだけ紙に書く。」

ほら、やっぱり。

でも、この勝負の内容は負ける気がしなかった。
だから、私は、

「いいね。受けて立つよ。」

と言った。

< 199 / 251 >

この作品をシェア

pagetop