私は彼とあくまでも友達になりたい
彰人くんと手を離して、私は帰る用意をする。

もう図書室には二人しかいない。

「ねぇ、彰人くん、結局お互いのいいところを書く勝負はどっちが勝ったの?」

私は聞く。
ちなみに私は38個書けていた。

「全部読み上げてあげようか?」

彰人くんが笑って言うものなので、私はおどおどしながら、

「…それは勘弁です。」

と言った。

「そっか。それは残念。」 

彰人くんは残念とはとても思っていなさそうな笑顔で述べた。そして、

「42個。ちゃんと数えてないから多分だけど。」

と言う。
42…。やっぱ、負けちゃったかー。

「負けました。」

「勝ちました。」

そんな会話を交わし笑う。

「あ、この紙どうする?」

私が聞くと彰人くんは、

「古紙回収に戻しとけば?」

と言う。鍵閉めるから、出よ?とも言った。

私は慌てて、リュックを背負い、古紙回収に紙を入れ、図書室を出た。
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