私は彼とあくまでも友達になりたい
入店してすぐ、店内から、「げ。」と声が聞こえた。
その声に、彰人くんもため息をついた。

カウンターには、ケーキ屋の制服に身を包んだ吉本くんがいた。

「…彰人、お前。この間、俺メッセでクリスマスは家で手伝いって言ったよな?今現在彼女がいない俺への当て付けか?」

「…いや、そういうんじゃないけど。」

私は二人の会話で理解する。

ここ、吉本くんの家だったんだ…。
私がいなかったら話は違ったかもしれないけど、私がいたら気まずい、よね?
なんか、二人とも、ほんとごめんね。
でも、そんな気持ちと裏腹に、二人の仲がいいことが、私には嬉しかった。

「すみません。予約していた西窪です。」

とりあえず、ケーキだけは貰うことにした。
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