私は彼とあくまでも友達になりたい
「はい、シャインマスカットのショートケーキ。サイズは4号。これであってる?」

「はい!あってます。」

私は吉本くんからケーキの箱を受け取り、頷いた。

「ここの生クリームすごく美味しいんだよ!だから、ずっとこのケーキ食べてみたかったんだー!毎年人気で、予約すら取れなくてね!」

私は彰人くんに興奮気味に言う。
引かれてもおかしくないと思ったが、

「うん、よく知ってる。」

彰人くんはそう言った。その顔は笑顔だった。

えへへ、彰人くんとケーキ食べるの楽しみだなぁ。

…ん?待てよ?

「あ!ケーキ食べる場所考えてなかった!」

私の叫びがケーキ屋に響き渡った。
少し、恥ずかしかった。
『Dear』にはイートインスペースはない。
忘れてた…。

そんな私の言葉に、吉本くんはため息をつき、

「俺んち、ここの2階だけど、そこで食べる?」

私にとってそれは神からの一言だった。

私はその言葉に二つ言葉で了承した。
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