私は彼とあくまでも友達になりたい
***

保健室についた私は、先生がいなかったから、とりあえず、溢れる鼻血をティッシュで拭いた。

その後は、止血して、鼻に栓をした。

うー、頭も痛い気がするし、もう少しここでいようかな…。

そう思ったときだった。

「よっ。さっきは派手にやらかしてたな。」

保健室の入り口には弥生くんがいた。

「弥生くん!?あれ?応援は?もしかして試合終わった?一組の応援してたはずなのに、私の心配なんてしていいの?」

私は聞く。すると弥生くんは、

「あぁ、うん試合は終わったよ。
応援は…。俺は、確かにあそこにいたけど、自分のクラス応援する気であそこいたわけじゃなかったし…。」

そこまで言って弥生くんは堪えきれず吹き出し、

「にしても、キャットウォークの方をよそ見してて顔面レシーブ…。ぶはっ。」

と言った。また堪えきれなかったのか笑う弥生くん。

「何?俺のこと探してくれてた?」

ニヤニヤしながら弥生くんはこちらを見た。

「…いや、そんなわけ!
少しチラ見しちゃってただけで…。」

私は焦って声を捲し立てた。何でこんなに焦ってるのか、自分でもわからなかった。

「そう?ちょっと残念かな。」

弥生くんは私をからかった。もう!

「ま、俺、次試合だから、行くわ。

…あ、そうそう、お前のチーム勝ってたぞ。次も頑張れよ。」

賞賛の言葉を送ってくれた。

…ねえ、弥生くん。

弥生くんはなんでそんなに私の胸をどきりとさせるの?


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