私は彼とあくまでも友達になりたい
彰人くんがイヤーカフスをつけ終わった後、彰人くんが選んだであろうアクセサリーがつけられる。

首元にひやりとした感触。

もしかして…。

「目、もう開けていいよ。」

彰人くんが言う。
目を開けた瞬間、彰人くんと目が合う。彰人くんは笑っていた。
そして、私はスマホのミラーアプリを起動させて、やっぱりと思う。

「ネックレス…。」

「うん。梨花、初めに見てたし、それに、俺はこれを梨花につけて欲しかったから。」

私の首元で光るのは、2連のゴールドのネックレス。
片方のチェーンにはパールが一粒。
もう片方のチェーンではハートが付いている。

すごく可愛い。しかも、彰人くんが選んでくれたということがより、私の気持ちを舞い上がらせた。

「すごい嬉しい!…けど、よかったの?ネックレスどれも高かったじゃん。」

彰人くんは、私の言葉にうーん、と言った後、

「いいよ。俺、趣味とかそんなに無いから、お金あるし。それに、誕生日の人はお金とか現実的なこと考えないほうがいいと思うのは、俺だけ?」

と笑った。そして、私の頭の上に手を置き、

「お誕生日、おめでとう。」

と言う。

「…誕生日、明日だよ?」

それは、照れ隠しからの言葉だった。

「それもそうだな。」

彰人くんも笑ってくれた。
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