私は彼とあくまでも友達になりたい
***
side 福井春樹
俺は、図書室の前をたまたま通った。
そこにはキスをする二人の影が見えた。
あいつらが窮地に陥って、そこからより絆を深めたことに対する、悔しさと、僅かな嬉しさ。
でも、こんなところ見たくなかったという悲しさ。
西窪は、あいつのことを、『彰人くん』と呼ぶ。
俺も『春樹くん』と呼ばれたかったのはただの願望でしかない。
もう、身を引いた恋だ。何を言っても仕方ない。
まぁ、もちろん、西窪をまた泣かせるようなことがあったら容赦しねぇけどな。
とにかく、幸せになれよ。俺の"好きだった人"。
side 福井春樹
俺は、図書室の前をたまたま通った。
そこにはキスをする二人の影が見えた。
あいつらが窮地に陥って、そこからより絆を深めたことに対する、悔しさと、僅かな嬉しさ。
でも、こんなところ見たくなかったという悲しさ。
西窪は、あいつのことを、『彰人くん』と呼ぶ。
俺も『春樹くん』と呼ばれたかったのはただの願望でしかない。
もう、身を引いた恋だ。何を言っても仕方ない。
まぁ、もちろん、西窪をまた泣かせるようなことがあったら容赦しねぇけどな。
とにかく、幸せになれよ。俺の"好きだった人"。