私は彼とあくまでも友達になりたい
学校について、親友と二人で、自分たちのクラスを探す。

「千夏、見つけた?」

「うん!見つけた!梨花は?」

「見つけたよー。じゃ、いつも通り、せーので言お。」

せーの!

「三組!」

二人の声は重なった。

「やったー!」

私たちは手を取り合って喜ぶ。

「なんと、彰人くんも一緒だよ!」

千夏は私にそう言ってくれた。
私は彰人くんと一緒のクラス、その事実にまた飛んで喜びそうになったが、千夏からさっきの話を聞いたばかりだしと思って、「うん!」と頷いた。

「彰人くん、今、玄関のあたりにいたからさ。走ったら会えるんじゃないかな?というか、会ってきなさい!これは、親友命令です。」

──親友はどこまでも優しいと思う。

「ありがとう!千夏!」

私はそう言い、走り出した。

手を振る千夏の顔は人混みに紛れてよく見えなかった。
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