私は彼とあくまでも友達になりたい
図書委員3回目
図書委員三回目。本格的に梅雨入りし始めた六月の第三水曜日。

外はもちろん雨が降っている。

今日は誰も来ていなかった。
あの弓道部の先輩もだ。
みんな部活が忙しいのだろうか。

「ねえ、弥生くんはさ。この間のテストどうだった?」

私は外の水溜りを眺めながら、弥生くんに話しかける。弥生くんは勉強していた。
ちなみに、この『テスト』というのは、この間あった一学期末テストのことを指している。

「私、全然解けなかったよー。特に英語。」

私が舌を出して笑うと、弥生くんはノートから顔を上げて、

「まあ、俺も英語はそこまでよくなかったよ。平均ちょい上くらい。」

と言った。

「で、何?急にテストの話なんかして。
…もしかして、赤点補習?」

「うっ…。その通りです。」

そうなのだ。私は英語が赤点だった。

「赤点補習なんだけどね。講義聞いた後小テストっていう流れらしいの。でも私、小野先生の教え方、合わなくて…。」

「…だから?」

もう、察しがついているのか、ため息混じりに弥生くんは言った。

「英語教えてください!!」

私は顔の前で手を合わせてお願いした。
いや、懇願した。
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