私は彼とあくまでも友達になりたい
弥生くんと歩きながらバス停まで向かう。

「…ねえ、弥生くんはさ、恋とかしたことあるの?」

なんとなく自分の気持ちが恋心なのかもしれないと気づいた私は、その疑問を解決するために、弥生くんに聞いてみた。

「うん、あるよ。ていうか、むしろ今してる最中。」

そっか。弥生くんモテるもんね。そりゃ好きな女の子の一人くらいいるか。
きっと美人なんだろうなぁ。

じゃあ、私の初恋(仮)は叶うはずもないのかぁ。

胸が少し傷んだけど、変に割り切れた感じがした。
これからも彼とは友達になることを目標にしよう。

「そっか。恋ってどんな気持ちなのかなぁと思って聞いてみたの。」

私は笑ってそう言った。

「なるほど…ね。でも、俺も良くわかってないから教えられないな。

独占欲も湧くし、好きって気持ちも溢れそうになる。けど必死に抑えて普通に装ってる。
そういうもんなんだと思う。恋愛って。」

と弥生くんは言った。
…そうなんだ?よくわからないけど、

「がんばってね!結ばれるの応援してる!」

私は心の底からそう言った、と思う。

雨は少し弱まった気がする。
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