私は彼とあくまでも友達になりたい
そうやって下を向いて、歩いていたせいか、私は二人とはぐれてしまっていた。

なんかもう、自分が情けなくて涙が出そうだった。

なんでだろう?千夏と弥生くんが仲良くするのはいいことなはずなのに、なんで胸がモヤモヤするんだろう。

私は、人がごった返す神社の石段を登った先の植え込みの横に座りながらそう思った。

弥生くんを一人占めしたいのかな?

そんなことしていいものなのかな?

それに、弥生くんには好きな人がいるって言っていた。
それなのに、私がこんな気持ちを抱いていいのかな?

元気が取り柄な私なのに、今日はすごくうじうじしていた。
多分、慣れない恋に振り回されているからだと思う。

「弥生くん…。」

私は呟くと、後ろから、

「よかった。西窪見つけた。」

という声が聞こえた。今度こそ泣いてしまうかと思った。
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