私は彼とあくまでも友達になりたい
私と弥生くんは、花火が打ち上がるのを待ちながら、話をした。

「今日どうしたの?情緒不安定じゃん。」

弥生くんが私にそう言った。
それに関しては私も良く分かってなかった。

「うん、なんでだか、初めての感情がいっぱいいっぱいで…
少し自分でも良くわかんないの…
ごめんね。困らせて。」

私は、ポツリポツリとつまらせながら言葉を紡いだ。

「ねえ、私も弥生くんに聞きたいこと一つあるの。」

そう言うと、弥生くんは、何?と私に聞いた。

「どうして、千夏の家の手伝いしたいって思ったの?」

この質問は過去に一度したことがあった。でも、あの時聞いた以上の理由があると思っていた。

私の問いに弥生くんは私の問いにニヤリと笑って、

「さあ、どうしてでしょう?」

とはぐらかした。

「…ヒントは?」

私は聞く。弥生くんは考えながら、

「ヒントは…。
やっぱりやめた。答え言っちゃいそう。」

と言った。

「ええ。けちだなー。」

そのとき私は、弥生くんと二人きりになってから、初めて笑った。

「良かったよ、笑ってくれて。」

弥生くんも笑っていた。

その瞬間、空に大きな花が咲いたのだった。
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