私は彼とあくまでも友達になりたい
図書委員1回目
委員会、一日目。
私が「弥生くんと仲良くする方法」なんて大それたもの思いつくはずもなく今日を迎えた。
もうこればっかりは私のしわの無い脳味噌を恨むしかない。
外は晴れ。綿雲一つ見られない。
桜はもう散ってしまっているが、若葉からは生命の息吹を感じることができた。
図書室には他の生徒は誰もいない。
つまりは、弥生くんと2人きり。
弥生くんは今、私の隣に座っている。
話しかけるチャンスかも?
でも、弥生くんは、勉強していて、なんとなく話しかけづらいし…。
そうなるとすごく暇だなぁ、
私は恋愛小説でも読んでいようかな?
英語の課題出てるけど、それは見て見ぬふり…。
…と、まあ、そんなことを考えているときだった。
「…なあ、名前、なんて言うんだっけ?」
──正直、心臓出るかと思った。
さっきも言ったが、図書室には二人きり。
つまりは…
弥生くんが私に話しかけてきたのである。
…って、なんで話しかけられただけで、心臓出る!と思わなきゃいけないんだろ。
…図書室が静か、だからかな?
「え、私?」
分かりきった質問をする私。
「は?当たり前だろ?」
弥生くんは、ほんのちょっぴり笑っている。
なにか面白いこと、私言ったかなぁ?
「…西窪梨花だよ。」
「ふぅん。」
弥生くんはそれだけ聞いて、勉強に戻ってしまった。
え!?今の一体なんだったの!?
唖然とする私だったけど、弥生くんが勉強しているし、英語の課題がどうにも頭から離れないので、勉強することにした。
恋愛小説はまた今度読も…。