私は彼とあくまでも友達になりたい
***

「グ…リ…コ。よし、私の勝ちー!」

「負けたかー。」

結局私の勝ちだった。でもなかなか白熱した戦いで、弥生くんもゴール二段下にいた。

勝ち負けが決まる頃には、日がだいぶ傾いていた。

「楽しかったな。」

弥生くんが言った。
私はこくこくと頷く。

初めて弥生くんと遊んだわけだけど、とっても楽しかった。

…そういえば、弥生くんともうそろそろ友達にはなれたんじゃないかなあ?こうやって遊びにきたわけだし。

でもでも、私は弥生くんと、考えるだけでちょっと照れちゃうけど、恋人になりたいと思っていた。

私はこの気持ちが恋だと確信していた。

「ねえ、弥生くん。」

「ん?」

「…こうやって、また遊ぼうね。」

弥生くんは、

「当たり前だろ?」

と言った。
私は弥生くんのことが何だか眩しくて、サイダーを一口飲んだ。
もうぬるくなっていたサイダーはひだまりのあじがした。
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