私は彼とあくまでも友達になりたい
突然だが、ここで一応、私の中で持っている友達の定義について語っておこうと思う。

1、下の名前で呼び合っている。
2、連絡先を持ってる。
(電話でもメッセージアプリでもメアドでも何でも良い)
3、私も相手も友達だと思っている。

これらの中の一つでも当てはまっていたら、私の中で、その人は友達である。

まだ、弥生くんはどれにも当てはまっていない。

「ねえ、弥生くんは、勉強得意?」

少しでも仲良くなりたいと思い、そう聞いた。
もちろん、進まない課題を教わりたい気持ちもあった。

弥生くんは、

「…勉強は、別に可もなく、不可もなくって感じかな?」

と言った。
それ賢い人が言うやつだよ、弥生くん。
私は顔の前で手を合わせる。

「じゃあ、教えてくれない?英語なんだけど…。」

ちらりと弥生くんの方を見ると、げんなりとした顔をしていた。

「パス。他の人頼れよ。」

デスヨネー。知ってた。
ごめんね、と私は言おうとしたが、弥生くんはそれよりも先に、

「…と言いたいところだけど、俺も自分がしてる課題飽きたし、教えてやるよ?」

と言った。

弥生くんって、素直じゃないのかなぁ…?

…って、また悪い癖出てるぞ!教えてくれるって言ってるんだから素直に喜べ!自分!
素直じゃないのは自分だぞ!
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