私は彼とあくまでも友達になりたい
「ゲーム?」

焼きそばをもちもちと食べながら私は聞いた。

「うん、ゲーム。
今から名前呼びに二人ともする。西窪は俺のこと彰人って呼んで、俺は西窪のことを梨花って呼ぶ。で、違う名前で読んだ方が負け。負けた方は勝った方の言うことを一つ聞く。どう?」

「いいね。面白そう!」

にしても、負けた方は勝った方の言うことを一つ聞く…か。
私は弥生くんになんてお願いしようかな?

でも、それ以上に…

「弥生くん。一つ質問なんだけど…。」

「何?」

「それ呼び捨てじゃなきゃダメ?
私、呼び捨てにしたら恥ずかしくて死んじゃいそう。
…彰人くんでも、いい?」

私はチラリと弥生くんの方を見た。

「別にいいよ。
…じゃあ、俺も梨花ちゃんって呼ぼうかな?」

弥生くんは意地悪そうに笑った。
なんだろう。男子にちゃん付けで呼ばれたことが久しぶりだったからかもしれない。

呼び捨て以上に照れる…。

「や、弥生くんは、梨花って呼んで?」

「なんで?」

弥生くんは私がなんで梨花呼び希望なのかわかった上でそう言っていたと思う。

「…照れちゃうから。」

私は顔を真っ赤にして言った。

「ごめんごめん。からかって。でも、ほんと可愛いよ。梨花。」

ごめん、弥生くん。
…じゃなかった、彰人くん。
呼び捨ても照れちゃうよ。
どうしよう?
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