私は彼とあくまでも友達になりたい
***

「…彰人くん?」

彰人くんはどこか遠くの一点を見つめていた。
そして、

「…たまには、こうやって学校内で一緒にいるのもいいかもね。」

と呟いた。

「え!どうして?」

私はたまらず聞き返す。
だって、私たちが付き合ってるって他の人にバレちゃうよ?
そしたら、彰人くんはこんな低レベルの女と付き合ってるって噂されて、彰人くんの尊厳が傷ついちゃうよ…。

「うーん。ナイショ。」

彰人くんは人差し指を立てて自分の口に当てながらそう言った。
もう!そうやってすぐはぐらかす…。
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