早く君に好きだって言われたい。
*
「ちゃんと着てきたね! じゃ、メイクしてあげる」
「……うん」
あの後は、彼女に言われるがまま注文してしまった衣装……もこもこの生地にパステルピンクのトップスと丸いしっぽのショーパン、ソックスにウサギの耳カチューシャ。お腹出てスースーするよ……
「やっぱり素材いいし、かわいいなぁ。きっと、彼もイチコロじゃない?」
「そんなことないと思うけど」
彼女にメイクをしてもらい、ランチをして……駅に向かった。
「華南っ……!」
「……あ、友喜……」
もうすぐ駅に着くってところで友喜とバッタリ会ってしまった。まだ、なんの覚悟もできてないのに。
「華南、話……しよう」
「うん」
途中まで来た彼女に「私は退散しまーす」なんて言ってどこかに行ってしまった。
「……まず、謝らせて。ごめん」
「え?」
「この前いたやつ……ただの幼なじみだから」
幼なじみ……?
「しかも、人妻だ……俺、好きな人いるし」
……え? 好きな、人……。
「俺は、俺が好きなのは─︎─︎─︎─︎」
「好きっ……友喜のことが好きだよ」
めちゃくちゃ勢いで言っちゃったよ……どうしよう。
もう、終わったかも。