早く君に好きだって言われたい。


「………。」

「ご、ごめんなさいっ……あはは、ごめんね」


もう前みたいにはもどれない。
友だちとして満足していたはずなのに……私は。


「何謝ってんの? もう、先に言うなよ」

「え……? えっ?」

「俺は、華南が好きだよ」


すっ、好き? 友喜が、私を……? 好き?


「俺はずっと好きだった。いつ、好きって言ってくれるかなぁなんて待ってたんだ」

「……!?」

「早く、華南に好きだって言われたかったんだ」


これは夢か何か、だろうか。こんなの夢みたいだもの。

「俺と付き合って、いや……結婚前提で付き合って」

「……っ」

「俺とは嫌かな?」


私は、思い切り首をブンブン左右に振った。


「良かった……待ってちゃ、ダメだね。ちゃんと伝えなきゃなんも始まらないな」

「うん……そうだね」


あぁ、好きだなぁ。
去年出会った時は悲しみに溺れて、彼にすがっていたはずなのに。

今は友喜に好きだと伝えてる……なんだか不思議。


「好きだ、華南」

抱きしめられてるだなんて想像もしなかったよ……そして。

友喜は、目線を私に合わせると唇を重ねた。


「華南のかぼちゃコロッケ食べたい。作ってよ」

「うん、いいよ。材料買わなきゃ!」


友喜は「その前に……」と言い、自分の着ていたジャケットを私にかけた。


「露出しすぎだ、そんな格好俺以外見せるなよ」


今まで見たことのない照れた表情をして、もう一度キスをした。



   fin.













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