早く君に好きだって言われたい。


その夜─︎─︎─︎─︎……友喜の住むマンションにやって来た。


「あれ、どうした?」

「えへへ……あのね、私「だれー?」」


……!? この人、誰……? なんの連絡もしないで来たからいけなかったのかな。


「この子、ゆはの友だち? あ、もしかして」

「百合(ゆり)! 余計なこと言うなよっ」


“ゆは”

“百合”


そう、親しげに呼び合っている2人を見て思った……ここにいちゃ、ダメだって。


「百合は帰れよ、華南……上がって。こいつ帰るから」

「あ、いや……大丈夫。私、用事思い出したの。帰るね」


……傷つきたくない。


「は? いま来たばかりじゃん」

「あはは……ごめんね、じゃあね」


私は、ここにいたくなくて友喜に目も合わせずに彼のマンションから出た。


その後、家に帰っても気分が晴れずご飯は食べなかった。それから友喜からラインが来たけど……一回も返信をしなかった。

もう、ダメかも……私、失恋したんだなぁなんて思った。


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