早く君に好きだって言われたい。
《友喜side》
「ゆはー? まだ、彼女から返事来ないの?」
「……来ない、既読にもならない」
俺、桐野友喜。ゆはる、だなんて女みたいだが……ちゃんと男だ。
そして……好きな子からラインが来ないことに苛立っている。今までこんなことなかった。
この女は、幼なじみの百合。ちなみに既婚者だ。
「もしかしたらさー、あの時私がいたからじゃない?」
「は? なんで?」
「もー! ゆはったら、それだからダメなんだよ。私のこと恋人だって思ったんじゃないの?」
は? こいつが恋人?
ありえないんだけど……!! しかも、人妻だし。
「まぁ、私だったらそう思っちゃうけど。付き合ってるんでしょ?」
「……付き合ってない。ただ、好きなだけ」
「え? 付き合ってない? それ、やっぱりダメな奴だ。彼女、少し泣きそうだったような気がするけど」
え……泣きそう、だったか?
俺は、付き合いてーよ。だけど、華南が俺をどう思っているのか分からなくて何も言えずにいた。
「……あんた、行動しないとあの子離れてくよ」
「……っ……」
思い返せば……今まで、彼女から来てくれていた。この前だって。