あなたの左手、　私の右手。
おばあちゃんは私の方に近づき、不自由な足を庇いながらしゃがむ。
「具合が悪いのかい？」
しわしわの手で。温かい手で私の額に触れるおばあちゃん。
「大丈夫・・・」
ひどくかすれている私の声。

心配そうなおばあちゃんに少しでも安心してもらおうと微笑みかける。

「救急車呼ぼうかい？」
だめだ。
そんなのはだめだ。

おばあちゃんに負担がかかる。
今一番いいのはおばあちゃんにデイサービスに行ってもらってその間に私が自分の体をどうにかすることが一番なんだ。

「大丈夫。ちょっと休憩してるだけだから。」
「でも、ひどい熱だよ？」
「大丈夫。落ち着いたら自分で病院に行けるから、おばあちゃんはデイサービスに行って？今日は保育園の子供たちと交流会があるんでしょ？楽しみにしてたじゃない。」
私の言葉におばあちゃんは一瞬視線が合わなくなる。
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