あなたの左手、 私の右手。
「そうだったかしら?」
「予定表に書いてあったよ・・・。楽しんできて。」
言葉を発するだけでもかなりしんどい・・・。

「でも美羽ちゃん大丈夫じゃないでしょう。」
「おばあちゃん・・・私の携帯電話とってくれる?」
私はずっと頭の中にあったことを、実行に移さなくてはならないと判断した。


おばあちゃんはゆっくりと寝室から私の携帯電話をとってきてくれる。

「ありがとう。」
起こせない体で、必死に手を伸ばして携帯電話を受け取り、私は画面を操作した。

一人しかいない。

頼れる人は・・・一人しかいない・・・
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