あなたの左手、 私の右手。
私たちがいる階は45階でご老人や足の不自由な方には階段でしたまでおりることは不可能だ。非常電源が機能しているということはエレベーターも動くけれど、安全確認を警備がしない限りつかえない。

ビルにはいくつかののエレベーターがある。
避難訓練や防災マニュアルでも45階はお客様がはいる最終フロアで優先的に使用できるフロアになっている。

まずはお客様用のエレベーター。インジケーターは点滅していてまだ点検中なことを表していた。でも、停止している階が地下なのを見て、今ちょうど点検作業をしているのだろうと予想がつく。
点検作業にはおおむね10分程度と記憶に残っている。

この階にはほかにもエレベーターがある。職員用のエレベーターだ。

そのエレベーターは北側の目立たない方角にある。
私はそのエレベーターを確認してから、もう一度お客様用のエレベーターの点検が終わっているか確認をしようと段取りを決めて動き出した。

何かやるべきことがあるほうが気がまぎれる。
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