あなたの左手、 私の右手。
「状況は?」
「メンテナンス業者はまだつかないそうで最悪1時間以上かかるかもしれません。警備室のモニターも多分エレベーター内の配電の問題で回復しないそうです。」
早口に先輩がその男性に報告すると、その男性はエレベーターの扉の下に向かって大きな声をあげた。
「季里っ!!季里っ!!」
ありったけの声でその名前を呼ぶ男性はほかの誰でもない。社長だった。
社長は切羽詰まった顔で奥さんの名前を呼び続ける。
「天井の扉から俺が中に入る。何かあれば連絡してくれ。すぐに担架の用意をして。」
社長の言葉に先輩が前に乗り出す。
「社長が行くんですか?」
「もちろん。妻は今妊娠6か月だ。最悪俺がしたからあげるから救助してほしい。救急車の要請は出してるから、状況は電話する。」
社長は一息に告げると、ワイシャツの袖をまくってすぐに足元に見えている、停止したエレベーターの天井に降りた。
「メンテナンス業者はまだつかないそうで最悪1時間以上かかるかもしれません。警備室のモニターも多分エレベーター内の配電の問題で回復しないそうです。」
早口に先輩がその男性に報告すると、その男性はエレベーターの扉の下に向かって大きな声をあげた。
「季里っ!!季里っ!!」
ありったけの声でその名前を呼ぶ男性はほかの誰でもない。社長だった。
社長は切羽詰まった顔で奥さんの名前を呼び続ける。
「天井の扉から俺が中に入る。何かあれば連絡してくれ。すぐに担架の用意をして。」
社長の言葉に先輩が前に乗り出す。
「社長が行くんですか?」
「もちろん。妻は今妊娠6か月だ。最悪俺がしたからあげるから救助してほしい。救急車の要請は出してるから、状況は電話する。」
社長は一息に告げると、ワイシャツの袖をまくってすぐに足元に見えている、停止したエレベーターの天井に降りた。