あなたの左手、 私の右手。
「足も痛すぎです・・・」
いつの間にかできた靴擦れから血が出ている。

「こりゃ痛いな。」
甘えモードになっている私に先輩はどこか嬉しそうに答えてくれる。
「どれどれ。」
しゃがんで絆創膏を貼って応急処置をしてくれる。
「帰ったらちゃんと消毒しような。」
「・・・はい」
先輩に両手を引かれて立ち上がり、私たちはフロアを出た。

「目の下のクマがやばいなー」
フロアを出ると関西弁になる先輩。今日はほかの階にももう人はほとんど残っていない。
「疲れました・・・」
半泣き状態の私。
「疲れたな。帰ろ帰ろ。」
先輩は私の手をひいて、私のバックを持ち、エレベーターに乗せた。
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