あなたの左手、 私の右手。
「困ります」
抱きしめられたまま私は先輩の背中に手をまわした。

「ん?」
その声も優しい。

「好きすぎて、困ります。」
「なんじゃそりゃ」
「もう・・・大好きです・・・」
「俺も。愛してる。」

今日、思い知った。

何だっていい。ほかのことなどもう、なんだっていい。
どうだっていい。

ただ、先輩と一緒にいたい。
そばにいたい。

いつ、何が起きても後悔しないように、そばにいたい。
離れたくないと。
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