あなたの左手、 私の右手。
何も特別なことはしていないのに、こんなにも満たされてしあわせな時間があるなんて・・・。


ふと、先輩をみると、先輩はテレビから私の方に視線を移してふっと笑う。
これだけで幸せだ。

「もう寝るか?」
私は先輩の言葉に返事はせずに、先輩の口に、唇を寄せた。

先輩はすぐに私の腰に手をまわして抱きしめてくれる。

先輩となら大丈夫。

この人となら、前に進みたい。

私たちに言葉はいらない。

先輩はふっと笑ってから私にもう一度口づけた。
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