あなたの左手、 私の右手。
「いらっしゃいませ」
私は翌日先輩とイベントフロアの当番をしていた。

入り口にある受付でパンフレットをお客様に渡したり、案内をする役。
私は受付で接客をして、先輩はフロアの奥でご案内をする役。

今回の絵画展はかなり人気が高く、人も多い。

「こっち、大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。」
時々先輩が受付にいる私の様子を見に来てくれた。
「ありがとうございます」
「何が?」
「気にかけていただいて。」
「まぁな。俺たちはペアだからなー。」
「それにしても今日はかなり混雑していますね。」
「あぁ。今日は6階のフロアでも集客イベントやってるらしいんだ。有名なブランドショップの試食会らしい。だからこのフロアにも人が流れてくるんだろ。」
「ほかのフロアの状況も把握してるんですか?」
私が質問をすると先輩は私の方を見て自慢げに笑った。
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