翠玉の監察医 癒えない時間
「蘭、そろそろ寝よう。寝ないと体に悪い」

そんなことを星夜から言われてしまうほど、蘭は法医学の世界に心を掴まれていた。そして早く監察医として働きたいと思ってしまうのだ。さらに医大に蘭にとって初めて友達と呼べる存在ができたことも大きく、みんなで集まって勉強することも楽しいと思っていた。

「蘭〜!この問題わかんない!」

アーシャがそう言い、アーサーも「ここの分野難しいよな」とテキストと向き合う。最近話すようになったブラジル人のヘンリ・モウラと韓国人のチ・ミンホも考え込むが、答えは出てこないようだ。

「この場合は、こうすればいいのです」

蘭は淡々と説明をする。その説明を聞いて答えがわかった四人はすぐに答えを書き、ミンホが「蘭って何でもできるよな〜」と羨ましげに言った。

「まだ十四歳でこの学年のトップなんだろ?それに、色んな法医学研究所から声がかかってるらしいじゃん。羨ましい〜」

「俺たちも頑張らないとな!」
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