翠玉の監察医 癒えない時間
先ほど殺した男から奪った拳銃二丁を蘭は手にする。銃弾は入っている。一発も外すことは許されない。しかし、蘭なら外さずに相手を確実に殺せる。

蘭は走りながら拳銃を窓の外に向けて放つ。ガラスを破りながら銃弾は男たちを撃ち殺していった。廊下を走った後、蘭は大きく息を吐く。もう何人の命を奪ったのだろう?わからない。

その時、蘭のスマホが感動した。電話がかかっている。蘭がスマホを手にすると、星夜からだった。蘭は表情を変え、慌てて電話に出る。

「蘭、君は今どこにいるんだ?」

星夜の声に蘭は安心する。どうやら怪我などはしていないようだ。蘭は「世界法医学研究所の××付近にいます」と答え、「星夜さんはどちらにいらっしゃるのですか?すぐに向かいますので、教えてください」と言う。しかし、星夜から返ってきた言葉は予想外のものだった。

「蘭、君はすぐに逃げるんだ。君は幸せにならなくちゃいけない。俺のことは置いて早く逃げるんだ」
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