子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
妊娠と戸惑う気持ち
柊也さんとの暮らしも一月ほど経って、なんとか慣れてきた。
今日は、コアクリエイトで仕事をする日だ。

柊也さんは、結婚したことも、もちろん仕事を離れて私と関係があることも、ここでは一切話していない……はず。
仕事に支障をきたすのだけは避けたくて、内緒にするようしつこいぐらい言っておいたから。


「紬ちゃん、今日のメニューは何?」

ランチのメニューを張り出すより早く、前のめりな調子で社員に聞かれる。この雰囲気にもすっかり慣れたし、社員の名前も覚えられてますます居心地が良くなっている。

「今日は牛丼ですよ。お味噌汁も副菜もありますからね」

「おっしゃあ!!」

私たちの提供するランチは本当に喜ばれているってわかるから、やり甲斐もある。
こんな反応を見せてくれるから、思わず口角も上がるし鼻歌まじりにもなる。

「楽しそうだな、紬」

ビクッとして振り返ると、柊也さんが立っていた。


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