子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「なあ、綾。俺じゃだめか?」

そんなの……

「ダメなわけないじゃない。むしろ、私でいいのって、いつも思ってる」

「俺には綾だけだ」

「私だって圭一だけだよ。
同棲するって決めた時点で、いろいろと覚悟を決めてたし」

「じゃあ、返事、聞かせてよ」

「……よろしく、お願いします」



* * *


「ちょっと、紬!!聞きなさいよ。あんたの無駄に惚気の混じった写メのおかげで、圭一からプロポーズされたのよ!!」 

「は?え?」

翌朝、左手にはめられた指輪を見て、昨夜のプロポーズは夢じゃなかったと確信した私は、電話で紬に報告していた。

「だーかーらー、紬が雅也君にかこつけて、旦那さん入りの写メを送りつけてきてたでしょ?それを見て嫉妬した圭一が、プロポーズしてくれたの!!」

「えっと……おめでとう?」

「なんで疑問形なのよ!!」

まあ、冷静になって聞けば、よくわからない電話だろう。

「とにかく、紬達バカップルのおかげってこと!!」

「う、うん」

〝バカップル……〟なんて小声で呟いているあたり、自覚はないらしい。

「落ち着いたら、雅也君に会いがてら、圭一を紹介しに行くから」

「わ、わかった。楽しみにしてる」


その時は、散々惚気返しをするから、一言も漏らさずにちゃんと聞きなさいよ!!
覚悟してなさい、紬!!









番外編 END



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