子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「お父さん、それ、食べるんだよ!!」

容赦ないちびっ子雅也は、手付かずになっている青椒肉絲を指さした。

「これ、雅也の分じゃなかったか?」

誤魔化したな。

「ちがうよ、お父さんの分!!」

そこは雅也も譲らない。
ここは父親として、大人として、覚悟をすべきだ、柊也さん。

「あれ?じゃあ、お母さんのか?」

対面に座っているんだから、それはかなり無理がある。それを狼狽えずに言ってのけるところがある意味すごい。

「お父さん、だめ!!」

もちろん。3歳児とはいえ、騙されるはずもない。そして、お父さん本人は決して認めていないというのに、青椒肉絲はすっかりお父さんの苦手な食べ物だと認定しているようだ。

「そうか?お父さんのかあ……」

往生際が悪いけど、認めざるを得なくなったらしい。若干引きつった表情で、箸を手にした。


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