子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
その帰り道。
お出かけの疲れと満腹なのとで、車に乗り込んで早々、雅也は眠ってしまった。
それをバッグミラーで確認した柊也さん。

「寝たな」

「うん。それにしても、さっきのはちょっと……」

「かなり、恥ずかしかったな」

大の大人が、嫌いなものを食べたぐらいで子どもから頭を撫でられるシュールな絵。家の中ならまだしも、お互いにかなりいたたまれなかった。

「迂闊なこと言えないね。なんでも真似しちゃう」

「だな」

ご褒美の乱用も考えものだし。子育ては、子どもが好きってだけでできるものじゃないって、日々痛感させられる。

「それより、ご褒美、くれるんだよな?」

「ん?ああ。今日はアルコール解禁ね。おつまみでも作るよ」

「いや。酒はいらない。万が一のことがあって、車を出す必要があった時に乗れないのは困る」

これはいつも柊也さんが言ってること。私や雅也が夜間になにかあったらっていうのが、禁酒している一番の理由。




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