子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
豪華なランチにお腹も満たされて、車は役所へ向かった。


まさか自分が結婚を目的にこの場を訪れることになるとは、思いもしなかったなあ。

「おめでとうございます」

本当なら、ここで手を取り合って微笑み合うカップルも多いのかもしれない。
でも、私たちの間ではそんなことにならない。

と、思っていたのに……

車に乗り込んだ途端、おもむろに左手を取られ、薬指にそっと口付けられていた。

「指輪は贈るなって言われたから、せめてもだ。2人の間の誓いとして」

俺の手にもしろと言わんがばかりに左手を差し出され、私もそっと口付けた。

何気なくやったけど……
なにこれ。甘すぎる……

一人で妙に照れていたのは、私だけの秘密だ。







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