子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「鮮度が大事なら、他所で出してくる必要もあるかもしれないでしょ。それ、いるんじゃないですか?」

「はあ……おまえなあ。3日とあけずに紬の相手をするんだから、そんな必要ねえって。それ以上ヤったら、肝心な時に空っぽになるぞ」

「か、からっ、空っぽ!?」

私の焦りっぷりがよほどおもしろかったのか、くすくす笑っている。

悔しい……
この人に口で勝とうとするのは、所詮無理なのかもしれない。
結局、基礎体温計の他にもちょこちょこ日用品を購入して店を後にした。



食材もケーキも買って車にもどった頃には、既に夕方近くになっていた。
柊也さんの家には調味料が満足にそろっておらず、結構買い込んでしまった。その全てを柊也さんがあたりまえのように支払ってしまう。

そういえば、お金の話は全くしてなかったことに気付いて、道すがら、どうしようかと相談を持ちかけた。

「そんなの、俺が全部出すに決まってるだろ」

「そういうわけにもいきません!!」

「紬。子供を育てるのに、金はあればあっただけいいに決まってる。俺に払ったつもりで、その分貯金しておいてやれよ。そうすれば、俺の方も子どもに対して安心できるし、なにより、家事もやってくれるんだから、それでいいだろ」

全然いいわけなんてない。
けれど、有無を言わさぬ彼の雰囲気に、自然と従わざるを得ない気分にせられてしまう。



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