子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
帰宅するとすぐに調理に取りかかった。
唐揚げが食べたいという、なんともお子様な可愛いリクエストに応えるため、鶏肉に下味をつけておく。
炊飯器もセットして、あらかたの準備を終えると、明日の準備をするために一旦部屋にもどった。

通勤着は大丈夫。バッグも。
あとは、パジャマ……

不意に夜のことを思い浮かべて赤面してしまう。
今夜はするんだろうか……
ていうか、今後は〝今日はチャンス日です〟とか申告するのか?

「恥ずかしすぎる……」

Yes、No枕でも用意しておけばよかったのか……
それ以前に、女の子の日の時はどう伝える?素直に申告するのみ?

やっぱりこの契約、いろいろと早まったかもしれない……

付き合っている男女なら、できない日だって狙い目の日だって、素直に言えただろう。
でも、私たちは恋人ではない。

いや、そうだ。夫婦だった……

でも、一緒に過ごした時間があるわけでもないから、気を許しあった雰囲気でもないし。
なんでもかんでも正直に申告するのは、少々気恥ずかしすぎる。

これは後でちゃんと話し合った方がいいに違いない。
うじうじしてるのなんて時間の無駄。

無理やり頭を切り替えて、再びキッチンにもどった。





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