子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
雑誌を片付け始めた柊也さんの横で、基礎体温計とかをセットしていく。

「なぜカレンダー?アプリがあるだろ?そういうのに入力した方が楽じゃないか?」

「これは柊也さんへのアピールでもあるんです。卓上カレンダーには、私のできない日を書き込むので、それを見て察してください。
それから、こっちは基礎体温を書き込んでおくので、妊娠しやすい日の参考に、たまに見てください。
あっ、あと、基礎体温は起きてすぐ、動き出す前に計らないといけないので。アラーム音で起こしてしまったらごめんなさい」

柊也さんは、カレンダーや体温計を手に取りながら、私の説明を聞いている。協力的なことは、すごくありがたい。

「要するに、これを見て察しろってことだな。あと、朝から襲うなってことか」

「おそ、襲う!?」

ギョッとして彼を見れば、くすくす笑ってるし。揶揄われた……

「で、さっきのチャンスの日の予想も含めて察すると……」

そう言いながら、わざわざ私に触れるギリギリのところに手を伸ばして、カレンダーをスタンドの横にもどす。
前屈みになってくるから、抱きしめられそうな雰囲気にもなって、不覚にも心拍数が上がってしまった。
思わずギュッと目を閉じると……

「今夜も、襲ってくれってことだな」

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