恋愛経験0のイケメン俳優と恋をした件。(事件)

駅の方に歩いたら花火の音が微かにした



「あ…花火の音、またする

私の耳鳴りかな…」



耳の後ろに手を当てて

キミが言った



「オレも聞こえるよ」



「やっぱり?聞こえるよね!」



キミとこの音を共感できたことが嬉しかった



「花火、見たかった?
近くまで見に行けばよかったね

今度、行く?
これから、他にもたくさん花火大会あるよ」



「んーん…」



「高い所から見たかった?

あのマンションから見たかった?

でも、あんなマンションに住むことも
もぉ、ないかな…」



「見てみたかったけど
今日ベランダで花火したから、いい…」



断わられた



少し汗ばんだ腕と腕が触れて

キミがオレから距離をとった



「紬、なんか小さくなった?」



「ん?変わらないよ」



オレと紬の差は20cm以上ある気がした



それは

紬が

オレと距離を取ってるから



もぉ背伸びしてくれない?



< 331 / 418 >

この作品をシェア

pagetop