恋愛経験0のイケメン俳優と恋をした件。(事件)

額が触れた



鼻先が触れそうなくらい近くなった



ドキ…

ドキ…



キミはゆっくり瞳を閉じた



ドキ…

ドキ…

ドキドキ…



少しずつ鼓動が早くなって



唇が…



ドキドキ…

ドキドキ…



「ぃや…!」



キミがオレから離れた



「え…」



またオレの勘違いだった?



ズキン…



「ヤダ…
さっき、餃子食べたから…」



え…???


あ、臭い気にしてるの?



「オレも食べたから
ぜんぜん気にならないけど…」



「私も一応女の子だから…気になる…」



恥ずかしそうにしたキミが

可愛かった



オレも急に恥ずかしくなった



ドキドキ…



「じゃあ、また…
誕生日の時に、する?」



ドキドキ…



「それも、ヤダ…
約束とか、嫌い…」



無意識に約束することがクセになってた

約束してないと不安だったから…



でもキミは

約束すると不安になるよね?



また守ってもらえないんじゃないかって…



「あぁ…ごめん…
今度は絶対守るから…」



「んーん…
約束してキスするのとか、嫌…

キスは不意にするんだよ

したい時にするんだよ」



「へー…
ごめん…わかんなくて…」



女心わからん



「私が読んでる少女漫画は、そぉだよ…」



キミが恥ずかしそうに付け加えた



「したい時にしてもいいの?」



「うん…
ふたりがしたいな…って…」



「オレは…今したいよ…」



ドキドキ…

ドキドキ…




だって

ずっと好きだったんだよ



ずっと紬が好きだった



ドキドキ…

ドキドキ…



「じゃあ…しても、いいよ…」



キミはゆっくり瞳を閉じた



ドキドキ…



透ける白い肌に

薄く色づいたキミの唇



ドキドキ…



ーーー



久しぶりに触れた



紬の唇



「紬…好き…

許してくれて…ありがと…

また、好きになってくれて…
ありがと…

大好きだから…紬…」



オレの

初めての彼女で

初めての元カノ



それから…

2番目の彼女も

キミだった



「大和…
少しだけ、キスうまくなったね」



微笑んだキミが可愛かった



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