プラチナー1st-

その日のお昼休み。詩織と一緒にランチから帰ってくると、エレベーターホールで和久田くんに会った。

「お疲れさま。何してるの? こんなところで」

「…お前を待ってたんだよ」

「私?」

紗子が人差し指で自分の顔を指すと、和久田くんは、そう、と言って、紗子の手首を掴んだ。

「ちょっと、顔貸せ。話がある」

そう言って和久田はぐいぐいと歩いていく。紗子は背後の詩織にちょっと行ってくるから、と声を掛けて、和久田に引きずられていった。


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