プラチナー1st-
和久田くんの想い
……頭がガンガンする。気持ち悪い……。紗子は堪えきれない頭痛とともに目覚めた。目の前に広がる、真っ白な風景。自分の部屋の天井と似ているが、部屋のライトと漂う香りが自分の家ではないと感じさせた。
紗子はカーディガンを脱いでブラウスのボタンを一つ緩めた、昨日会社に着ていった服装のまま寝ていた。ブラウスが皺くちゃになっている。ええ? ここ何処? そういえばこのベッドカバーも見たことない。起き上がると玄関がガチャっと開いて、其処から和久田が部屋に入って来た。えっ、何で和久田くんが此処に来るの?
「あ、起きたか。よく寝てたな。もう昼だぞ」
「えっ、わくだくん? なんで此処に居るの?」
紗子の問いに、和久田がぱちりと瞬きをして、それから笑った。
「そりゃ、俺の家だからだって。お前、昨日のこと覚えてない?」
昨日……? 言われて考えようとして、異様な吐き気を覚えた。
「ちょ、まって、それより、吐く…」
紗子の呟きに和久田が反応する。
「わー! ベッドの上は止めて! トイレこっち!」
示されてドアを急いで開ける。紗子は胃の中のものを全て吐き出した。