プラチナー1st-
えっ、これ何効果? こんな効果、CGでしか見たことない。それくらい、きれいな絵面。

自分の目が見ているものが信じられなくてぽかんとしていると、流石に様子がおかしいと思ったのか、和久田が、どうしたの、と言って腕を伸ばしてきた。そして。

和久田の指が紗子の前髪を触った。ほんの少し指が触れた、額のところがぶわーっと熱くなる。額が熱くなったかと思ったら、頬も首も熱い。一気に汗が吹き出しそうで、紗子は叫んだ。

「わ―――っ!」

「えっ、なにっ!?」

突然叫んで立ち上がった紗子に和久田が驚いている。でも、それを気にする暇はなくて。

「ご、ごめん! 私、帰る!」

それだけを何とか言って、紗子は和久田の部屋から逃げ帰った。
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