プラチナー1st-
恋の行方
それでも次の日休まずに出社した。浜嶋が心配したように紗子の方へ視線を寄越してくる。紗子は出来るだけ目の前の仕事に集中しようと頑張った。
それでなのか、一日が無事に終わった。ほう、と肩で息をつくと、浜嶋がやってきてポンと肩に手を乗せた。
「主任……。……昨日はすみませんでした」
「良かったのか」
フロアの騒がしさにかき消されそうな声は、でも確かに紗子に届く。大丈夫です、と返すと浜嶋が髪を撫でつけて慰めてくれる。その時、背後から声を掛けられた。
「松下……」
その声音にびくりと肩を跳ね上げた。
「ちょっと、良いか」
有無を言わせない和久田の表情に、始まってないのに終わるんだと分かってしまった。