プラチナー1st-
エピローグ
「……で、どうですか。人生で初めて恋が成就した気分は」
一緒に並んで帰り道を歩く。敢えて聞こうとするのなんて、もろに性格が出ているような気がする。
「そういう和久田くんはどうなの」
紗子の切り返しに、和久田はやっぱり笑って応えた。
「そりゃあ、嬉しいよ。初めて自分から捕まえに行った恋だったし」
そんなこと初めて聞く。ええーっ、と驚いた自分は、まだまだ和久田を知る余地がありそうだ。
これからお互いを沢山知っていければ良い。その道のりは、楽しく、幸せな時間になるに違いなかった。
薬指に見えるのは、まだ見ぬプラチナ。何時かそれを、お揃いで着けられたらうれしいな、と思った―――。