プラチナー1st-
浜嶋がワイングラスを傾ける。その左手には銀色に輝く婚約指輪…。浜嶋はついこの前、会社の社長令嬢と婚約した。付き合いは長かったようで、紗子が入社した時にはもうお付き合いしていた。しくりと胸が痛むけど、今は見ないふり。
初めて浜嶋の下に配属が決まった時に、素直にカッコいい人だなと思った。彫りが深く、鼻筋が通っている。目は少し黒目が大きくて、そこが親しみやすさを滲ませている。唇はややふっくらと、セクシーだ。
女子社員から絶大な人気を誇っていて、バレンタインの時のチョコレートの数はフロア一だ。
面倒見も良くて、部下からの信頼も厚い。デザイン一課は課内の統率が取れているとして、社内でも評判だ。
だから、こんな風に気を掛けてもらえるのは紗子だけじゃないって分かってる。だけど業後、浜嶋の隣でこうやって過ごす時間は、紗子にとってなくてはならない時間になっていた。
…実は、その為に残業している節がある。本当に浜嶋にとっては迷惑なことだと思うのに。
「本当にお前は仕事熱心だな」
浜嶋が微笑う。ほぼ毎日残業している紗子のことを見ているのだと思う。部下への気配りを忘れない人だ。各人の仕事量なんて把握済みなのだろう。
「要領が悪いだけなんです。人の倍かからないと、人と同じことが出来ないので…」
「几帳面さが仕事にも出てるんだな」
浜嶋が紗子を評してそう言った。そう思ってもらえるなら嬉しい。
「主任の顔に泥を塗るような仕事はしたくないので…」
これも本音だ。浜嶋が微笑って応じる。
「そうやって、部下に支えてもらってるんだな、俺は」
そんなことを言って、フロア1のやり手だということももう知っている。
本当に、浜嶋の何もかもが紗子が惹かれる要因になっていたし、だから叶わないと知りつつ、こうやって二人で過ごす時間を楽しみにしている。
初めて浜嶋の下に配属が決まった時に、素直にカッコいい人だなと思った。彫りが深く、鼻筋が通っている。目は少し黒目が大きくて、そこが親しみやすさを滲ませている。唇はややふっくらと、セクシーだ。
女子社員から絶大な人気を誇っていて、バレンタインの時のチョコレートの数はフロア一だ。
面倒見も良くて、部下からの信頼も厚い。デザイン一課は課内の統率が取れているとして、社内でも評判だ。
だから、こんな風に気を掛けてもらえるのは紗子だけじゃないって分かってる。だけど業後、浜嶋の隣でこうやって過ごす時間は、紗子にとってなくてはならない時間になっていた。
…実は、その為に残業している節がある。本当に浜嶋にとっては迷惑なことだと思うのに。
「本当にお前は仕事熱心だな」
浜嶋が微笑う。ほぼ毎日残業している紗子のことを見ているのだと思う。部下への気配りを忘れない人だ。各人の仕事量なんて把握済みなのだろう。
「要領が悪いだけなんです。人の倍かからないと、人と同じことが出来ないので…」
「几帳面さが仕事にも出てるんだな」
浜嶋が紗子を評してそう言った。そう思ってもらえるなら嬉しい。
「主任の顔に泥を塗るような仕事はしたくないので…」
これも本音だ。浜嶋が微笑って応じる。
「そうやって、部下に支えてもらってるんだな、俺は」
そんなことを言って、フロア1のやり手だということももう知っている。
本当に、浜嶋の何もかもが紗子が惹かれる要因になっていたし、だから叶わないと知りつつ、こうやって二人で過ごす時間を楽しみにしている。